こんな症状ありませんか.gif

生理がない_不正出血_多毛_にきび_肥満_乳房発育不全

こんな症状の原因に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの可能性が有ります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは

不妊症の最大の原因のひとつPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は現代医学的な考え方でとらえると、生殖年齢にある女性の5%以上に見られる症候群で、現在も増加傾向にあって排卵を障害するなど不妊症の大きな原因の一つとなっています。
現代の高度生殖医療のなかでも原因としては、20%程度を占めると言われています。

さらに、実際の臨床の現場では男性ホルモンの分泌が過剰であったり、インスリンという糖の吸収に関わるホルモンの反応の悪さ(インスリン抵抗性)などからだ全体の代謝に関わる面をもちあわせているので、最近では単なる排卵障害というよりは、全身の代謝の異常としてとらえる方向にあります。

そのため、根本治療には食事をはじめとする生活養生が大切になります。
が、まず現在、医療機関でPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の治療を受けている方々のために、代表的なおくすりと治療についてお伝えたいと思います。
とりあえず、理屈はどうでも良い方は読み飛ばしていただいて漢方問診表などでご相談いただいてもかまいません。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と検査

ネックレスサインイメージ.gifPCOS(多膿胞性卵巣症候群)の現代医療での診断については、一般に超音波検査で小さな嚢胞と呼ばれる卵胞が卵巣にたくさん見られます(ネックレスサイン)。

ただ、嚢胞がたくさんある(ネックレスサイン)だけでPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)と診断されるわけではありません。
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)と診断されてしまうには、たくさんの嚢胞があるネックレスサインに加えて、二つ目に排卵障害などの生理不順があって、三つめに血液中の男性ホルモン値が高いか、LH(黄体化ホルモン)と呼ばれる排卵の時に分泌されるホルモン値が高いことの、3つをすべて満たしていることがPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の診断基準とされています。

この3つの条件が揃わなくても、生理不順などがある場合をPCO(多嚢胞)と呼ぶ場合もあります。いずれにしても、男性ホルモン値が高いと卵胞が発育しても途中で成熟が阻害されたり、多毛などの男性化の現象が見られます。

また、糖を吸収するインスリンというホルモンの効き目が低下する「インスリン抵抗性が高くなる」ことも多く複雑で多彩な症状がみられるので症候群と言われています。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の検査数値について

通常生理の2〜5日目ではFSH(卵胞刺激ホルモン)の方がLH(黄体化ホルモン)より多くなりますが、 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方々ではFSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌よりLH(黄体化ホルモン)の分泌の方が多くなり、約2.5倍以上になります。
これは排卵させようとして脳から過剰に「排卵するよう」指令が出されているためLH(黄体化ホルモン)の値が高くなるために起こります。
無排卵のためエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が異常になり、おりものが多くなったり、無月経や不正出血、さらには男性ホルモン: アンドロゲンの分泌異常も見られ多毛やにきびが出やすくなります。
また、多嚢胞性卵巣症候群は、血糖値を下げるホルモンのインスリンの抵抗性が低下しがちになります。
そのため、適正な食事によるダイエットや血糖を下げるお薬が有効なこともあります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の原因

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の原因については、かつて遺伝的な要因と言われていることが多いようですが、前述のインスリンの働きが悪い(抵抗性が高い)場合や男性ホルモンが過剰なことが多く、食生活や運動不足などの生活要因にも注目されはじめました。私たちイヌイ薬局の店頭では、統計を取っているわけではありませんが生活習慣が関与しているように見受けられることから、不妊書うでお悩みの方々にも食事などの養生をおつたえするようにしています。

現在の日本では不妊に悩むカップルが40万カップルもいるといわれていてそのうち20%の方がPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)で悩まれているとのことですから、まずは生活習慣で予防・解決していただくことはとても意味を持ちます。

それというのも、実施に肥満をともなう感じのぽっちゃりタイプの方のPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の場合は、いわゆるダイエットで妊娠されることも少なくありません。しかも、標準体重まで体重がおちなくても現在の体重から5〜10%くらい体重が落ちると排卵が始まり妊娠に至ることは少なくないいようです。

肥満を伴うぽっちゃりタイプの方でない場合も、インスリンの働きが悪い(抵抗性が高い)場合が多いのでダイエットというよりも、血糖値をあげにくいいわゆる低GI(グリセミックインデックス)とかグルテンフリーなどと呼ばれる身体にやさしい食事で改善に向かうこともあります。

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の場合「血糖値を急にあげない」いわゆる低GI(グリセミックインデックス)「からだにやさしい」食生活が鍵を握りますので、改めて詳しくお伝えします。(http://www.druginui.jp/)参照

以上、長くなりましたがPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の定義をまとめると
1臨床症状
1月経異常(無月経、希発月経、無排卵周期など)

2多嚢胞性卵巣
超音波断層検査で両側卵巣に多嚢胞所見が見られ、すくなくとも一方の卵巣に2〜9mmの小卵胞が10個以上見られること。

3血中男性ホルモン
が高いまたはLHが高くFSHは正常。で1〜3のすべてを満たすなら現代日本の生殖医療でPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)と診断されます。PCOS(多膿胞性卵巣症候群)の定義は各国で異なりますが、それほど病因が複雑ということを物語っています。

改善方法

中医学的には、やはりその方の体質をみて使う薬を選んでいきますが、 硬くなった卵巣の膜は血行が悪く、ドロッと汚れた物質の痰湿がたまっていて、この膜を柔らかくするために血液の流れを改善する”活血薬” と痰湿を除く”化痰薬”を中心に、卵子の発育と排卵させる力をつけるために”補腎薬”などを使います。
生活面では規則正しい食生活と運動、十分な睡眠、またストレスをためないように心がけることはもちろんですが、 特にこの病気はインスリンと関係が深いので糖分の過剰な摂取は控えましょう。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)改善方法.

高度生殖医療に見るPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の薬物療法

Aホルモン療法
1クロミフェン
クロミフェンは抗エストロゲン作用(anti-estrogen-agent)のおくすりといわれています。
名前のとおりエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌を抑制します。
卵胞は発育に比例してエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌がさかんになります。

エストロゲンの分泌がさかんになり血中のエストロゲン(卵胞ホルモン)の値が上昇するとFSH(卵胞発育ホルモン)と呼ばれる卵胞の発育を促進させるホルモンの分泌が減少します。
ですから、クロミフェンのようにエストロゲンを抑制するおくすりは、FSH(卵胞発育ホルモン)の分泌を促進します。結果、卵胞の発育を促進するFSH(卵胞発育ホルモン)の多量の分泌によって、卵胞の発育がさかんになり排卵へ向かう可能性が高まりますので、排卵誘発剤と呼ばれています。

ただ、クロミフェンなどのエストロゲンの分泌を抑制する、抗エストロゲン作用のあるおくすりは子宮頸管粘液の分泌を減少させ子宮内膜を薄くしてしまうこともありますので、月経血や子宮頸管粘液が減少しはじめたらかかりつけの医療機関などに相談しましょう。
(*ホルモンについて詳しくはホルモンの旅(http://www.druginui.jp/)を参照ください。)

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の場合、排卵が起きにくいのでまずはクロミフェンなどの排卵誘発剤が処方されます。
3〜6周期で排卵が起きて順調に妊娠すれば良いのですが、長期にわたる排卵誘発剤の使用は卵巣を疲れさせてしまうので、できれば3周期をめどに3周期つづけて排卵誘発剤を使用したら2〜3周期卵巣を休ませる意味で服用を休みましょう。

長期間クロミッドやクロミフェンなどの排卵誘発剤を連用すると卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などに陥りやすくなります。
クロミッドなどの排卵誘発剤をお休みの間には、なるべく漢方のおくすりや食事の改善などで卵巣の機能を取り戻すようなお手当が大切です。
詳しくはOHSS(卵巣過剰症候群の項http://www.druginui.jp/)でお伝えします。

2メトフォルミン
クロミッドやクロミフェンなどの排卵誘発剤で排卵がうまく起きない場合には、メトフォルミンなどと呼ばれる糖尿病のお薬が処方されることがあります。
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)のひとつの特徴に、インスリン抵抗性が高いことが挙げられますが、これは「糖」の吸収を促進する唯一のホルモンの「インスリン」が身体のなかで効きにくいことが原因なので、糖尿病のおくすりを短期的に服用して効果があることも多いようです。

3ゴナドトロピン
クロミッドやクロミフェンなどの排卵誘発剤が無効な場合、ゴナドトロピンなどの排卵を誘発する注射が行われます。
このおくすりの場合、卵巣を過剰に刺激しすぎて、卵巣に浮腫みを発症したり卵巣機能の低下をまねいてしまう卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
(詳しくはOHSS(卵巣過剰症候群の項http://www.druginui.jp/)を発症しやすいため、少量からはじめて徐々に増やしてゆく方法がとられます。

4人工授精
クロミッドなどの排卵誘発剤で子宮頸管粘液が少なくなってしまったり、排卵の機会を有効に使うために人工授精が行われることがあります。
クロミッドなどの排卵誘発剤によって、順調な排卵が得られた場合には卵胞を凍結しておくことで、妊娠の機会が増加します。

5手術療法
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の原因の卵巣内の小嚢胞を腹腔鏡によってレーザーなどで卵巣表面にある小嚢胞を照射して切除する手術が行われます。
通常は療法の卵巣に対して行われ、片側あたり数カ所から数十カ所処置が行われます。

この卵巣書写によって排卵周期が回復するメカニズムは詳しく分かっていませんが、卵巣内のアンドロゲン(男性ホルモン)の改善によると考えられています。
この卵巣照射によるPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)のメリットは、排卵誘発剤などによるOHSS(卵巣過剰刺激症候群)を避けることができます。

逆に、デメリットは卵巣照射により焼灼された部位には卵胞ができにくくなります。
また、効果の持続が1年程度と言われています。
中医学では、照射後に血流を改善しておくと卵巣機能の低下を予防できます。

6体外受精
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は、排卵障害が原因なので一般の体外受精は、卵胞の直径20ミリ前後で採卵すると妊娠率が高いのですが、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)が過排卵刺激を行なうとOHSS(卵巣過剰症候群)のリスクがあることから、まだ成熟しきっていない「未熟卵」を使った体外受精が考えられています。

この方法が未熟卵体外培養(成熟)IVM(in vitro maturation)です。
分かりやすくいえば、卵胞の成長過程で採卵して、体外で成熟させます。
その後にICIS(卵細胞質内注入術)によって受精させ、通常のIVFと同じようにET(胚移植)を行います。が、まだ確立された方法とはいえません。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で知っておきたいこと

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)が原因で不妊症の場合、原因が男性ホルモン過剰などのホルモンのバランスが原因であって、ほとんどの場合は卵巣機能が衰えていたり子宮内膜に問題があるわけではないので妊娠の可能性は高いと言いうことをこころにとめておいていただきたいと思います。

生理が不順であったり不正出血が続いたりしますので、不安な気持ちになるかもしれませんが、上記のような西洋医学的な方法や後述の漢方や食事の改善で妊娠の可能性が高くなります。むしろ、卵が十分成熟しない状態で着床してしまうことも多く、習慣性流産の原因となりやすいので「卵」の質を十分に向上させておくことが大切です。
その意味でも、西洋医学的な治療と合わせて漢方や食養生の併用が大切です。治療と漢方、食養生のご相談は、↓のご相談フォームよりご連絡ください。

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